<ナレ>「おやおや浜さん、今日はどちらにいらしたんですかぁ?」
<浜さん>「ふふふ、ここは戸塚原宿と言ってねぇ。
戸塚駅からバスに乗ってやってきたのさ。ちょっと小腹が減ったから、
まずは腹ごしらえでもするかな♪」
<浜さん>
「おっと、そんな事を言ってたらさっそく
そば屋さんがあるじゃないか。
実は俺はそばが大好きでねぇ。」
<ナレ>
「おやおや浜さん、なんか雰囲気のある
お店ですねぇ。」
カラ~ン、カラ~ン
<店員>「いらっしゃいませ。
お好きな席におかけください。」
<主人>「ご注文は?」
<浜さん>「おぉ、主人!天ぷらそばをもらえるかい?」
<主人>「かしこまりました。」
<浜さん>「ふふふ、なかなか趣のある店内で、良いねぇ。これは期待出来そうだ。」
<店主>「お待たせしました。」
<浜さん>「おぉ、大きなえびが2尾も乗って嬉しいねぇ!どれどれ・・・」
<主人>「ありがとうございます!
出汁はソウダガツオとサバで取ってます。
そばも自家製なんです。」
<浜さん>「おぉ、それでこの味が出せるんだねぇ。
この店は主人が創ったのかい?」
<主人>
「いえ、私は2代目でして。
父に習って始めました。
私らの時代では、長男が店を継ぐのが
当たり前でしたからねぇ。」
<浜さん>
「ふふふ、何を隠そう俺も2代目さ。
どこも似たようなもんだねぇ。」
<主人>「へぇ、お客さんは何を?」
<浜さん>「ふふふ、俺はみなとみらいで屋形船の船頭をしてるのさ!
横浜の浪漫を届けるのが俺の仕事さ。親父さんはどうしてるんだい?」
<主人>
「はい、父は去年の暮れに
亡くなりましてね。
ずいぶん前から店は私が切り盛り
していたのですが、父が亡くなったら、
今まで自分がどうやって仕事していたのか、
分からなくなりましてね。」
<主人>
「“真面目に丁寧に仕事しろ!手を抜いたら手を抜いたなりの物しか出来ない。
”戻る所はその父の言葉でした。」
カラ~ン、カラ~ン
<浜さん>
「ふふふ、そばもとても旨かったが、浪漫な話を
聞かせてもらったねぇ。
さてと、次はどこに行こうかな♪」
<ナレ>
「おやおや浜さん、しばらくこの戸塚原宿をさんぽする
気ですね?
さんぽ企画らしくなってきましたねぇ♪」
東海道戸塚原宿に立ち止まってみれば、聞こえてくるのは浪漫と匠の技。
父の教えが道しるべ。
取材日:2015.12.18
■ 店舗情報
店舗名そば処 太郎
住所横浜市戸塚区原宿3-1-12
営業時間11:00~15:00
17:00~21:00
電話番号045-851-6470