<浜さん>「ふふふ~ん♪」
<ナレーション>「おやおや浜さん、鼻唄なんて歌ってご機嫌じゃないですかぁ。どうしたんですか?」
<浜さん>「ふふふ、なぁに。“浜さんぽ”と言いながら、実際にさんぽしている風ではなかったからねぇ。今回商店街を歩く事になって、ようやくさんぽらしくなってきたんで、つい嬉しくなってねぇ。」
<ナレ>「おやおや浜さん、
作者の要領が歩くて取材が
とびとびですからねぇ。
横浜のキャラも楽じゃないですぇ。」
<浜さん>
「ふふふ、まぁそれが男の
浪漫ってもんさ。」
<浜さん>「お!これは布団屋さんだねぇ!今はほとんど見なくなったけど・・・
ちょっと寄ってみるか!」
<ナレ>「おやおや浜さん、気になったお店に入っていくなんて、
ほんとに“○○さんぽ”らしくなってきましたねぇ。」
カラ~ン、カラ~ン♪
<店主>「いらっしゃいませ!」
<浜さん>「いやぁ、布団屋さんなんて珍しくて、つい入ってきてしまったよ。
昔からやってるのかい?」
<店主>「えぇ、昭和25年創業で、私は2代目なんですよ。
昔はよく打ち直しをしたもんです。」
<浜さん>「打ち直し・・・?」
<店主>「お客さんは若いから知らないでしょうけど、綿を一回抜いて、
ふかふかに再生して、また詰め直すんです。
そしたらまた暖かく利用出来ますからね。」
<浜さん>「へぇ、そんな技術があったんだねぇ。ここに並んでるのは?」
<店主>「えぇ、手作りのものもありますよ。昔は3~40分で1個作りましたが、
今はさすがに1時間以上かかりますがねぇ。腰の所を厚くするなどして、
寝心地を良くするよう工夫しています。」
<浜さん>「おぉ、布団を手作りするなんて
凄いねぇ!
しかもそんな短時間で仕上げるなんて、
職人さんの技だねぇ!」
<ナレ>「そうですねぇ、某漫画家なんて
1ページ描くのにどれだけ時間かかってるか・・・」
<浜さん>「じゃあ、そろそろ失礼するよ!邪魔したねぇ。」
カラ~ン、カラ~ン♪
<浜さん>
「ふふふ、職人さんは多かれ少なかれ、浪漫を持っているねぇ。お?」
<ナレ>「おやおや浜さん、また何か見つけたんですかぁ?」
<浜さん>「なにやら床屋さんがあるじゃないか。行ってみるとするか。」
カラ~ン、カラ~ン
<店主>「いらっしゃいませ。」
<店主>「今日はどうしますか?」
<浜さん>「ふふふ、浪漫的リーゼントで頼むよ!」
<ナレ>「おやおや浜さん、まさかカットするつもりですかぁ?
それはいくらなんでもはしゃぎ過ぎですよぉ。」
<店主>「リーゼントですね・・・
お客さん、失礼ですが・・・どうやってセットしてるんですか?」
<浜さん>
「ん?どうやってって、普通にペンで描いて
色を塗って、仕上げにハイライトをササッと・・・」
<店主>「そうですか。いやね、ストレートのリーゼントはボリュームを出すのが
大変でしてねぇ。実際にストレートの髪でそうしようとしても、前髪が落ちてきて
しまうんですよ。」
<浜さん>「ふふふ、さすがはプロの目はごまかせねぇな。親父さんはなんで床屋に?」
<店主>「はい、私の親が元々床屋をやっていまして、おふくろを助ける為に始めただけです。昔は商売屋の長男は家業を継ぐのが当たり前でしたからねぇ。」
<浜さん>「ふふふ、若いうちから家の為に働くってのは簡単に出来るもんじゃないねぇ。跡取りははいるのかい?」
<店主>「息子が美容師になりましたが、こういう床屋とはやりたい事が少し違うようでしてねぇ。どうなる事やら・・・」
<浜さん>「そうかい、息子さんも同じ
道にね!きっと親父さんに憧れて美容師になったんだろうね!」
<店主>「どうですかねぇ・・・」
浜さん
カラ~ン、カラ~ン♪
<店主>「ありがとうございましたー!」
<浜さん>「ふふふ、俺が立寄る場所には必ず浪漫が溢れてるねぇ。
良い話が聞けたよ!」
<ナレ>「おやおや浜さん、結局髪も切らなかったのに椅子にまで座って、
話し込んだりして、失礼ですよぉ。」
<浜さん>「ふふふ、それは言いっこ無しさ。」
<浜さん>
「おっと、あれはお魚屋さんかな!行ってみよう!」
<ナレ>
「おやおや浜さん、お魚には目が無いんですからぁ。」
<大将>「へい、いらっしゃい!」
<浜さん>「おぉ、大将!威勢が良いねぇ!今日は良い魚入ってるかい?」
<大将>「あぁ、小柴のしゃことあなごが入ってるよ!」
<浜さん>「おぉ、小柴のねぇ!あそこの魚は旨いよね!」
<大将>「おぉ、兄ちゃん若いのに少しは知ってるのかい?」
<浜さん>「ふふふ、魚は大好物でねぇ。仕入れはどこでしてるんだい?」
<大将>「横浜本庄だよ。横浜に昔からある市場だから、今でも良い魚が上るのよ!」
<浜さん>「おぉ、横浜本庄ねぇ!」
<大将>「とは言え、目利きが無いと良い魚は手に入らないよ!」
<浜さん>「ふふふ、確かにそうだね!大将は魚はどうやって食べるんだい?」
<大将>「そりゃ刺身で食うのが一番よ!美味しいわさびを付けて、醤油は隠し味さ!」
<浜さん>「“醤油が隠し味”ねぇ!さすが大将!粋な事言うねぇ!」
<大将>「兄ちゃん、若いのに話が分かるね!まぁ、また来てくんな!」
カラ~ン、カラ~ン♪
<浜さん>「ふふふ、粋な大将だったねぇ。
ああいう大将がまだいてくれるのは嬉しくなるねぇ!」
<浜さん>「!?」
<ナレ>「おやおや浜さん、どうしたんですかぁ?」
<浜さん>「こ・・・腰が・・・」
<ナレ>「おやおや浜さん、ぎっくり腰ですかぁ!?大丈夫ですか・・・!?」
原宿商店街を浪漫全開でさんぽしていた浜さん。調子に乗り過ぎて、
突然ぎっくり腰になって、早くも絶対絶命!
果たして浜さんは、このままさんぽを続けられるのか・・・!?
あのリーゼントはどうやってセットしているのか・・・!?
つづく・・・
取材日:2015.11.14
■ 商店街情報
商店街名 戸塚原宿商店街 松栄会
住所 横浜市戸塚区原宿
商店数 26
公式HP http://www.harajuku.yokohama/